2015年03月02日

中国サイバー規制、米企業が猛反発 プログラム開示義務、来月実施

中国が3月から始める新たなサイバーセキュリティー規制に、オバマ米政権や米国の産業界が猛反発している。新規制は中国の銀行産業と関わりがあるIT企業に、サービスを提供するためのコンピュータープログラムの内容の提示などを義務づけるもの。中国側は情報の安全管理が目的とするが、米産業界からは知的財産が侵害される恐れがあるとの声が上がる。

米国へのサイバー攻撃に悪用される可能性もあり、サイバー空間をめぐる米中対立に新たな火種が加わったかたちとなった。

「新規制は重大な貿易上の障壁だ。米政府の最高レベルから実施しないよう申し入れている」。米通商代表部(USTR)のホリーマン次席代表は12日、ワシントン市内の会合で中国を強く牽制(けんせい)した。米商工会議所など17団体も4日、「新規制が実施されれば、米国のIT企業の中国ビジネスに深刻な悪影響が生じる」との書簡をケリー国務長官らに送った。

中国の新規制は銀行産業にITサービスなどを提供する企業に対し、プログラムの内容の中国政府への提示や、海外との情報のやりとりの制限を義務化し、さらに中国の暗号技術を使うことなども求めている。米メディアによると3月15日に発効する予定だ。

中国は銀行産業で用いられるITなどを「安全で管理可能なもの」にすることが目的と説明している。他業種で用いられるITサービスなどにも拡大される可能性があるという。

しかし、IT企業にとってプログラムの内容の提示は知的財産の侵害を招く恐れがある重大問題だ。米紙ウォールストリート・ジャーナルは「提示されたプログラムの内容を知り得る中国企業は理論上、自ら同種のプログラムを作ったり、サイバースパイ活動に利用できる欠陥を見つけることができる」とする。このため産業界は、新規制が4650億ドル(約55兆円)規模とされる中国IT市場での活動を難しくすると反発。米政府に規制の停止を働きかけるよう求めている。

また米紙ニューヨーク・タイムズによると、中国政府は国民に関するあらゆるデータを国内のサーバーに保管することや、テロ関連情報を監視する方法の開発、情報にかけた暗号の解読方法を治安当局に示すことなどを企業側に求めるテロ対策法も検討中という。

産経新聞 2015年2月27日
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